理事長あいさつ
当梅香会は、超高齢社会を見据えるとともに、多年にわたり社会の進展に寄与され、今日の私たちの暮らしの礎を築いてきた高齢者に、安心して暮らせる「終いの棲家」を提供し、地域社会に貢献したいとの思いから設立されました。
介護保険制度ができた2000年の高齢化率は17.4%でしたが、2010年には23%にもなり、2030年には三人に一人が高齢者という推計が出ています。また、高齢者世帯のみの世帯の増加に伴う「老々介護」や程度の違いはあっても認知症同士の「認々介護」などといわれる状況が生まれつつあります。
こうした超高齢社会を迎える中で、加齢とともに有病率が高まり、様々な疾患を抱える要介護高齢者には、医療面のサポートが不可欠です。そのようなことから、私は、高齢者が自宅においても施設においても、医療と密接に連携することで健康な状態で寿命を全うできるようなトータルケアを構築して行く必要があると痛感しています。
ここ矢那梅の香園の地は、晩年、私の父が過ごしたところで、この地に高齢者福祉の拠点が開設できたことは意義のあることと思っています。父は生前、「修證議」という経典の「利他」という言葉を信条として生活をしてきました。このようなことから、私は、施設の運営に当たっては「利他」を本旨として、私や職員自ら「住んでよかった」と思われる施設を目指し、地域を支えていく覚悟ですので、引き続き、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
社会福祉法人梅香会
*「利他」とは、利己の反対語で、自らの幸福より他者の幸福を願い、行動すること。
*「修證義」とは、道元の主著「正法眼戯」を中心に引用し、明治23年に編纂された経典。